北の宿

北の宿

黄昏時な冬の午後
今日の授業は、もう終わり

五限もあった気がするが
俺の中では、もう終わり

帰るにゃ少し早すぎる

坂をてくてく下りながら
何をしようか考える

信号渡ってふらふらと
どこへ行こうか考える

気が付けば

絵に描いた様な雑居ビル
エレベーターもデカダンス

ちょっと覗いて見てみるか
「2」のボタンを押す
くたびれた戸を開ける

やっぱりか
卓でくつろぐ「あいつ」と「やつ」
苦笑混じりにご挨拶

「なんでいるんだよ!」
「授業あったのか?」
「あと一人か。なんで連れてこなかったのさ!」

てんでバラバラ、いつもの会話

「いつからいたの?」
「忘れた。」
「ホントに来るんだもんな。」

見渡す限り、小汚い
いつものこととは知ってても
奥でおばちゃん寝ているし

ソファの上の、こんもり毛布
どうやらじいさん倒れてる

「寝てんだろ。」
「死んでるんちゃう?」
「聞こえるっての!」

ひと声ごとにトーンは下がり、
バタンと開く戸に、一瞬ビクリ

「さ、やるか。」

当然のように、「野郎」が来た

「揃っちゃったな。」
「スイッチどこ?」
「点棒足りてる?」
「東ない、トン!」

こんな時だけ、手際がいい

「ジュース買ってくる。」
「先に行っとけ!」
「サイコロふってけ!」

帰りが早いはずだったのに、
今となってはいつ帰る?

おばちゃん、目覚めて

「あら、いたの。」

俺らが寝るのは、いつになる・・

 

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