プロローグ
3月6・7日と白樺湖ロイヤルヒルで滑ってきました。
参加者は水島夫妻と妹の美和ちゃん・代永よなぞうさん・上山うえさん・森山もりり
ん・金子お竜なえ夫妻・槌谷センセイ・井野ちゃんの計9名。ネットで見つけたペン
ションとメールをやりとりし、よし。準備万端!のはずが・・・そこのお竜!知らな
いうちに電話して予約人数増やしたり減らしたりしてんじゃない!しかも「あー、水
島ですが」だと!?
ひー!ペンションの方、ご迷惑をおかけしました。ごめんなさい!
Vol.1 Let's go!
6日朝7時25分。八王子駅にてよなぞうさんとおちあう。
遊びに行く時はどうしてこんなに朝早く動けるのだろう。不思議不思議。
7時新宿発のスーパーあずさにうえさんともりりんが既にのっているはずだ。お互
い初対面のこの2人、どんな話をするだろう?とシミュレーションを試みる。
もりりん役「あ、うえやまさんですかー?」
うえさん役「そうですけど」
もりりん役「もりやまです」
うえさん役「あ、どうも」
もりりん役「・・・」
うえさん役「・・・」
全く想像つかず。八王子まで30分かけて名乗りを上げるにとどめる(未確認)と
はシャイな2人であることよ。案外ものすごくゆっくり喋っていたりして。
電車到着。案の定先乗者達は今まで寝ていたかのような居ずまい。我々ナチュラル
ハイヤーが大騒ぎで乗り込んでも動じないあたりが筋金入りを証明している。
一つ目の大月駅を過ぎ、次の停車駅は石和温泉です、と電光掲示板に文字が流れる。
一昨年の暮れにDAME雀忘年会で来たねえ、石和。こんなに近くだったのか。あの
時は各駅停車乗り継ぎの旅だったからなあ。お、車内販売が来た。ビール3つくださ
ーい。パシュ。パシュパシュ。お疲れさまーって何言ってんのこれからだよ、そうだ
ばあちゃんが作ってくれたおにぎり食べよう、カメラ買ってきました、あ僕デジカメ
持ってきましたよ、「しろ」って言葉は「のりしろ」でしか聞いたことないよ、いい
えありますよ機械なんかで使いますよ「はめしろ」とか、さすがもりりんよく知って
ますね、何しろ理系ですからね、すいませんビールもう一つ、よなぞうさんやっぱり
飲むんですね、10年ぶりのスキーですからね飲んでおかないと。などと盛り上がっ
ているうちに、茅野ー、茅野です。
Vol.2 雪がない?
駅で2台のタクシーに分乗した結果、ペンションまでの約40分間は妹と旦那と家
族旅行気分。えらく親切な運転手さんに現地の様子を聞く。
「今年は雪がないよ」
なにい?そういえば山近くまで来たのにまだ雪を見ていない。よく道端に寄せられて
いたりするのに。
「いざとなったら温泉に行こうか。タクシー呼んだら連れてってくれますかねえ?」
「うーん・・・どこ?」
「ペンションから車で5分のすずらんの湯なんですが」
「山の上に営業所がある会社なら回してくれるかもしれないけど、嫌がられるだろ
うね。マイカー(懐かしい言葉だ)で来てる人いないの?」
「2台あるはずです」
「ピストン(これも最近とんと聞かない)した方が絶対早いよ」
とはいうものの確実なのはお竜達の車1台。センセイは昼頃出ると言っていたが全く
当てにできない。今回は麻雀もしなさそうだし、さあどうする!
ドキドキしながら山を登っていく。所々にうっすらと積雪を確認。あることはある
ようだ。板やらウエアやらで大荷物、この苦労を無駄にしないためにも是非滑りたい
ところなのだが。
「あるにはあるんだけどね」
運転手さんが人の心を見透かしたように逆接の接続詞で脅かす。お願い!滑らせて!
Vol.3 トントン・・・嫌ー!待ってー!
白樺湖をぐるっと巡って目的地付近とおぼしき辺りに到着。
ペンション群集区域にさしかかると屋根から落ちた雪で小山ができていた。先ほど
から見え隠れしている山々の白い部分に胸を撫で下ろすDAME雀一行はタクシーを降り
いよいよペンションへ。
斥候水島の指示に従い埋まった路を探りさぐり進む。「COUNTRY WORK」と書かれた
緑の屋根のかわいい建物だ。玄関の脇に「離れ」があり、そこに板やブーツを置いて
横にいる犬に丁重に挨拶をすると番をしてもらえるシステムになっている。
時間が早いがひとまず予定の部屋に入れてもらい、早速ウエアに着替え始める。女
部屋は姉妹だからと派手に脱いでいたら突然ノックの音。速攻でとにかく何かを身に
つけ返事をするとなえちゃんが入ってきた。金子夫妻合流。
慌てて着たインナーの後ろ前を直したりして準備を整え、ロビーへ。さあスキーだ!
Vol.4 月刊うさちゃんの今すぐ行きたい!女二人旅<第3回 スキー編>
迫り来る春が20代後半の素肌にひしと感じられる3月。顔のパックを洗い流しな
がら思い出すのは、この前行ったスキーのこと。せっかくの合コンツアーだったのに、
お目当ての植山君は保子とくっついちゃったし、あーあ。メイク落とした直後にバッ
タリ会っちゃうんだもんなあ。だから洗面所は各部屋にあるところがいい、って言っ
たのに。それにしても保子のあんなハイパーメイクにコロッと騙されるなんて、植山
君も女を見る目がないってことよね。ま、いっか。一緒に行った望美もよな子も、結
局彼氏できなかったし。
それにしても、今シーズンは一度しかスキーに行ってない。それも宿とゲレンデが
離れてたから、板をかついで歩くだけで疲れちゃって、滑ったーって気がしなかった
し。親友の剛子を誘って、一泊くらいでもう一回行こうかな。
春用の新しい美容液を顔になじませつつ、パソコンに向かう。思い立ったが吉日、
インターネットで探してみよっと。場所は・・・白樺湖畔なら近くていいわね。この
辺にいい宿ないかしら・・・条件は、ゲレンデ徒歩0分。バス・トイレ付は外せない
っと。んー、どれどれ。
え?これ、ペンションよねえ。やっすーい!こないだのスキーで散財しまくったか
ら、一泊××××円は見逃せないな。結構きれいそうだし、これなら剛子も誘いやす
いわ。よーし、善は急げ!
週末の白樺湖畔に降り立つ私たちを迎え入れてくれたのは、可愛らしい佇まいのカ
ントリーワーク。大きな番犬が賢そうな瞳で「いらっしゃい」と尻尾を振っている。
その名の通りカントリー調にまとめられたダイニングは、高い天井とゲレンデの見え
る窓が雰囲気。所々に飾られた絵や花もいいセンスしてる。夕食が楽しみだわ。
部屋に入るとプチ・フラワーの壁がやさしい気分にさせてくれる。そして念願のバ
ス・トイレ付。ベッドに転がってのんびりしたい気持ちをぐっとこらえて、着替えて
ばっちりメイクして、滑りに行こう。

カントリーワーク前にて
(水島剛子団長)→
ドアを開け、建物の間をぬけるとすぐゲレンデ。やっぱり徒歩0分は大正解。今日
の白樺湖ロイヤルヒルスキー場は、とにかく滑りたい私たちには最適。広くはないけ
れど人が少ないし、明日大会があるせいかコブをなくしてあるのも嬉しい。青空には
ヒコーキ雲やイワシ雲が流れてて、気分はもう最高!
←金子夫妻(新婚5ヶ月)
リフト終了時間までガンガン滑って、ゴキゲンな私たち。疲れていてもペンション
へ向かう足取りが軽いのは、やっぱり目の前効果ね。板を置き、ブーツから足を引っ
こ抜いて「はあー、極楽極楽」・・・とは思っても口にしないのが、女の意地。
部屋に帰ってウエアを脱ぐともうダメ。どうにかこうにかメイクだけは落として、
ベッドに倒れ込む。普段あんまり使ってない筋肉が乳酸と戦っている。私は睡魔と戦
っている・・・ふにゃー・・・
・・・ん?何言ってんの剛子?今何時・・・やばい!夕食だ!
あわてて降りていくと、ダイニングはもう写真に見るような光景。クロスの上に並
べられたグラスやカトラリーに暖かい照明が柔らかく反射してる。窓の外にはナイタ
ーの灯りがとてもきれい。隣でワイングラスをあわせるカップル。ゆらめくロウソク
の炎・・・これで相手がいい男だったらなあ、って剛子の顔にも書いてある。
飲物にビールを選び、まずは女二人のお気楽スキーに乾杯。そして待望のディナー、
腕をふるうのは奥様のようね。コーンポタージュに始まり次々に運ばれるお料理はど
れも美味しくて、久しぶりのステーキもあっと言う間に平らげちゃう。締めくくりの
ほんのり甘ずっぱいシャーベットに、二人ともスプーンを口に入れたまま恍惚の表情。
熱いコーヒーをゆっくり飲みほして部屋へ戻る。ベッドに転がって幸せ気分で今日
の反省会。ほんっと、大満足の一日だった。暇があればいい男でも探そうかと思って
たけど、全然そんな気にならないほど、心ゆくまで楽しんだ。近いしきれいだし料理
は美味しいし、言うことなし。今度は望美とよな子も誘って、みんなでまた来よう!
ぽこぺんと仲間達→
(ぽこぺんは誰?)
うさちゃん編集部より:この紀行文はハクションです。実在の人物・地名にはすべ
て関係があります。
事実かどうかは当うさちゃんの預かり知らぬところです。
Vol.5 誰が食べた?
夕食後、スキー場を引き揚げると同時に到着していた先生の車で買い出しに行く。
近くの温水プールに隣接した土産物屋で地酒やらつまみやらを仕入れる。ナイター参
加組と疲れて眠ってしまった妹をほったらかし、男子部屋(うわーなつかしー)に集
合。ささやかな宴会が始まる。
ナイターから戻ってきた人が揃ったところで、爆弾ゲーム。小さなリンゴパイの中
に一つだけ唐辛子パイが混じっている。せーの!一瞬の沈黙の後、よなぞうさんが喉
を両手で押さえて呻き出す。代永さんだったかー。しばらくもがき続け、全員の視線
が自分に注がれたのを確認したよなぞうさん、
「う・そ」
じゃあ誰が?お互いに顔を眺め回すがそれらしい人はいない。なんだなんだ?もと
もと入ってなかったんじゃないの?
その場では結局迷宮入りだったが、帰りの電車で真相が明らかになる。謎の爆弾ゲ
ームの話を不参加だった妹に聞かせ、
「でもさー、あのパイすっごく不味かったよねー。いくらゲーム用でもリンゴの匂
いくらいしても良さそうなもんだよね」
「???」
「リンゴの味した?」
「もしかしてそれ・・・唐辛子だったんじゃないの?」
なんと大当たりを食べたのは私だったようだ。ちっとも辛くなく、ただひたすらに
不味いばかりで、所詮お遊びのお菓子だからなあと思っていたのだ。もっと咳き込む
くらいでないと、私のように激辛フリークの人間は気付きもしないぞ。おかげで盛り
下がってしまったではないか。責任者出てこい!
Vol.6 雪女
翌日は朝から雨。美味しいパンとスクランブルドエッグを頂き、速攻で身支度しロ
ビーへ。日帰り参加の井野ちゃんがなかなか到着できないでいるらしく、金子夫妻を
井野待ち隊に任命しておきゲレンデに出る。
雨足は思ったより強く、みぞれ混じりだったのがいつしか本格的に吹雪いている。
リフトの一つは吹雪のため操業停止になった。果たしてトイレに入ったところで停電。
便座のヒーターが急速に冷え始める。手探りで装備を調え外に出たところで100円
落としたことに気づくが、とにかく何も見えないので諦めたら電気がついた。
リフトに井野ちゃん達が並んでいる。どうやら無事に到着したようだが何か様子が
おかしい。さっきの停電でここも止まってしまったのだ。仕方がないので山を降り、
低いエリアをこれでもかと滑る。
←もりりんon the 停電リフト
それにしてもこれでは昨日堪能し尽くした我々はともかく、井野ちゃんは苦労して
遥々やって来た甲斐がないではないか。可哀想に・・・しかし私は思いだした。井野
ちゃんは雨女ではなかったか?彼女の憤りが雨を雪に変え、さらにパワーアップして
吹雪を起こしてしまったに違いない。そういうことなら本人も納得済みだろう。雨女
よりも雪女の方が幻想的でよろしいので今回は敢えて不問に処すことに。
Vol.7 寄る年波には何とやら
まだまだ滑るぞう、とやる気満々の金子夫妻他3名。帰宅途中に寄ってもらうこと
にして荷物を金子カーに積んでもらい、もりりん、よなぞうさん、美和ちゃんと水島
夫妻は一足先に帰途へ着く。
茅野駅真向かいのビルのレストランで地ビール3種を味わいつつ昼食。予定の電車
まで時間があるので甘味処で口直し。暇に任せてゲームコーナーや土産物屋を徘徊す
る。全品1000円アクセサリーコーナーにて、常日頃気になっていた「磁気ネック
レス」を発見。最も強力なヤツを即購入。
ホームでテディベアのお披露目。さっきのゲームでよなぞうさんが勝ち取った景品
なので「よなぐま」と命名。とても可愛いのだがさすがに持て余し気味のよなぞう親
父に替わって水島家で引き取ることに。みんな名残惜しそうに記念撮影をする。
電車に乗り込んで、今度は私が磁気ネックレスを見せびらかす。白パールと黒パー
ルの2本で税込み2,100円。安い。総ての粒が磁力を持っているので結構重い。
よけいに肩が凝るのではなかろうか。
一人、また一人と疲れ切って眠りに落ちてゆく中、翌日からハードな合宿が始まる
タフガイもりりんだけが毅然と前を向いて座っている。彼は体連合宿から戻るとすぐ、
卒業旅行でモルジブへ旅発つとのこと。帰国後今度はDAME雀の納会、これも既に
参加表明を出している。
嗚呼、若いって素晴らしい、などと思いながら、かくいう私もよなぐまと共に心地
よい揺れにすいこまれて行くコンコロモチなのであった。 えんど
エピローグ
磁気ネックレスはたいそうよい買い物でした。あれからほぼ毎日つけていますが、
悩まされていた肩の痛みは感じなくなりました。ただ決して根本的な解決にはなって
おらず、首を曲げればバキバキと好い音がし、肩を押せば飛び上がるほど痛く、ネッ
クレスをはずしていれば2時間以内に猛烈な凝りの症状が現れます。兎に角つけてさ
えいれば取りあえず痛くはないので、いつの日か不本意ながらも死に到る病に冒され
たときは、患部にこのネックレスを幾重にも巻き付け、陽のあたる縁側で兎を膝に乗
せて苦しむことなく逝きたいものだと真剣に考えている次第であります。